「書評」

 

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評論 川島雄三論 Ⅱ 石渡均

 筆者がプロの映像作家ということで、専門的な記述で映画監督・川島雄三の人柄と作風、評論を連載。私自身は鑑賞しようと思いながら、見なかった作品の多い監督である。今回は「逃亡―積極的逃避」が印象的で、映画監督は肉体的な年齢に合わせて作品を作るとある。小説にも似たところがあるような気がする。逃亡の映像での表現の難しさに触れているのも興味深い。

 

評論 ポオの美について(ノート)Ⅱ 柏山隆基

 文章と美意識は深い関係にあるが、同時に想像力と現実という関係も重要である。ポオの天才的な想像力が体質なのか、生活スタイルから生じたものかを知る手掛かりがある。神秘的な体質がすでにあって、特異なイメージ力をもち、アルコールや薬物は従属的な要素のような感じなのががわかる。

紹介者「詩人回廊」編集者 伊藤昭一 2013119